そのなかで岡崎は、攻守に幅広く動きながらゴールを狙った。守備時には中盤まで引いて敵を追いかけ、危険と見れば自陣ペナルティエリア近くまで下がってディフェンスに走った。

 そして、好機になると最前線まで走ってラストパスを引き出す。最大のチャンスは50分。カウンターからDFダニー・シンプソンのグラウンダーのクロスに滑り込んたが、あとわずかのところで足が届かなかった。

 プレッシングやカバーリングなど守備での貢献度は高かった。しかし、足りなかったのは前線での力強さと存在感。象徴的だったのが、MFリヤド・マフレズの縦パスから右サイドでボールをキープしようとした34分の場面で、DFのクリス・スモーリングに身体を入れられボールを失った。岡崎としても、これまでの相手との力の差、違いを肌で感じた瞬間だったのではないだろうか。

 試合後のクラウディオ・ラニエリ監督は「マンチェスター・Uのパフォーマンスが非常に良かった」と相手を褒めながらも、「バーディーなしでは相手のDFラインを引き伸ばすのが難しかった」とエース離脱の影響を嘆いた。そのバーディーは次節、2試合の出場停止処分から復帰する。

 ひとまず、2日に行われるチェルシー対トッテナム戦の試合結果を待つ必要があるが、仮にスパーズが勝利しても、7日のエバートン戦でレスターが勝てば優勝は決まる。

 英紙『デーリー・テレグラフ』に「ハイエナジードリンクのようだ」と形容されたバーディーとの機動力抜群の2トップで敵を混乱させ、さらにネットを揺らすことができるか。引き続き、岡崎の奮起に期待がかかる。

文=田嶋コウスケ

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