打者優位の球場でも圧巻の投球を見せ無傷の3勝目を挙げた前田。(写真:Getty Images)
打者優位の球場でも圧巻の投球を見せ無傷の3勝目を挙げた前田。(写真:Getty Images)

 ロサンゼルス・ドジャースの前田健太は現地23日、敵地でのコロラド・ロッキーズ戦に先発。6回1/3を投げて3安打、1四球、8奪三振、無失点で無傷の3勝目をマークした。

 ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドは「打者天国」として知られる。標高1マイル(約1600メートル)の高地にあるため、打球が通常よりも飛ぶからだ。ロッキーズ公式サイトによると、クアーズ・フィールドでは海面(標高0メートル)と比較した場合「打球の飛距離が9%伸びる」という。だが数々の名投手が苦しめられたこの地の特性も、前田には影響なかった。

 この日に前田が取った19個のアウトのうち、外野フライは3個だけ。残りの16個は三振、内野ゴロ、内野フライだった。3本の被安打も外野の前にライナー性で落ちる2本と内野安打が1本。いくら打球が伸びる打者天国とはいえ、外野への飛球を許さなければ大やけどはしない。そもそも打球を飛ばさせない三振ならなおよしだ。言うは易しの投球を、前田は丁寧な制球で実現した。その結果が6回1死までノーヒットという快投となり、かつてこのスタジアム史上初のノーヒットノーランを達成したドジャースの大先輩、野茂英雄の快挙をファンに思い起こさせてくれた。

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