女房役のブライアン・マキャンが「いいボールを投げていたと思う。両サイドにしっかり投げ、バランスもよかった」と評したように、全体としては十分に好投だった。本人も被弾を減らすのが重要と反省を口にしており、失投を避けることが安定感向上への鍵と言えそうだ。

 耐久力への不安と一発病。終わってみれば、メジャー2度目の開幕戦先発は田中の従来の課題を浮き彫りにしたものとなった。もちろん、まだ1試合を投げただけ。これだけで進歩がないというのは早計だろう。それだけに次回以降の先発が大きな意味を持つ。順当ならば次は現地10日に敵地で行われるデトロイト・タイガース戦。この時期のデトロイトはまだ寒く、ナイターでの試合はまた厳しい環境が予想される。主砲ミゲル・カブレラを中心とした打線も強力だ。だが田中としては、ふたつの懸念を一気に払しょくする好機でもある。「今季の田中は一味違う」と首脳陣やファンを納得させられるようなピッチングを期待したい。

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