「おろしそば」は全国にあるけれど、越前そばはオンリーワン?(写真はイメージ)
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 津軽、板、へぎ、越前、会津に戸隠、出雲……。これらはすべてご当地そばの呼び名だ。全国には数えきれないほどの「郷土そば」が存在していて、その土地ならではの食材をつなぎとして用いたものや、独自のそば道具や技法で打たれたもの、食べ方や器の違いなど、そのバリエーションは正確には把握できないほどだという。

 そばの歴史は古い。大陸からわたってきたそばが食用になったのは奈良時代といわれていて、もともとは「そばがき」や「そばもち」といった、そば粉を湯でこねて状にしたものが食されていた。現在のような細くて長い麺状となったのは今から400年以上前のことで、包丁で切ることから「そばきり」という呼び名がついたという。

 そばきりもそば粉を湯でこねただけのものだったが、江戸時代に入り、そば粉に“つなぎ”として小麦粉を混ぜるそばの製法が打ち立てられたといわれている。ちなみに、よく「蕎麦屋で酒を飲むのが粋」といわれるが、この文化は江戸時代に始まったという説がある。当時のきちんとしたそば屋では、「そばは香りが命」ということもあり、注文が入ってからそばを打っていた。そのため、客はそばを待つ間に日本酒を飲みながら待っていたという。それが定着し、そば屋独自の「板わさ」や「だし巻き卵」といった手軽な肴が生み出されたのだという。

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