新たなる第一歩を踏み出した――1月28日、元理化学研究所の小保方晴子氏が手記を出版した。「あの日」(講談社)と題されたこの書には、騒動の最中、小保方氏が話せたくても話せなかったメディア・スクラム被害、そして前時代的なアカデミズムの“闇”がつまびらかに描かれている。手記が発表された1月28日は、2年前、騒動の発端となった「STAP細胞」が発表された日でもある。
この小保方手記の出版化の報は、マスコミ界、とりわけ出版業界では大きな驚きをもって迎えられた。騒動以来、ずっと小保方氏を取材してきた週刊誌記者のひとりが語る。
「小保方氏、そして彼女の代理人弁護士の事務所にずっと書籍や雑誌への寄稿依頼を続けてきました。でも、いいお返事を頂くことはなかった。オファーはすべて断っているとのことなので……。今回、講談社さんは、相当、頑張られましたね。完敗です」
事実、小保方氏に近い関係者の話では、新聞社、テレビ局、出版社などのマスコミ各社、芸能事務所からのオファーが、騒動の最中、引きも切らなかったという。
そうした声を裏付けるかのように、大手出版社が発行する週刊誌の編集長は「小保方氏の連載企画を検討し、オファーを出したことがある」と語る。