リケ・リケ・ドライブインの店内はファミレス風。あっさり薄味のサイミンは7.15ドル
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ミーン・ダ・チキンの屋台では、煙を立ち上げて豪快に焼く! 丸ごとチキン5ドルをガブリ
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アロハ・ベイクハウスは、ワイキキ中心部の隠れ家グルメ。オックステールスープ15ドルは、6時間以上煮込む
アロハ・ベイクハウスは、ワイキキ中心部の隠れ家グルメ。オックステールスープ15ドルは、6時間以上煮込む

 海外旅行先としていまだ根強い人気のハワイ。リピーターが多いだけに、定番の過ごし方だけでなく、ちょっと思いがけない旅にしたいという人も少なくないだろう。

 例えばグルメ。ハワイといえば、ロコモコやパンケーキ、ハンバーガーなどが定番だが、たまには目新しいものを食べたい、という人におススメなのがハワイのB級グルメだ。

 ハワイのB級グルメの多くは、移民たちの食文化がルーツ。日本をはじめとしたアジアの故郷の味を懐かしんで作られたものが、やがて地元に広がり、定着していったという。

 旅を最高のハレの日にするために、ハワイでやりたい103のことを紹介しているハレ旅シリーズ『ハワイ』(朝日新聞出版)から、おススメのB級グルメが楽しめるお店を紹介しよう。

 まずはハワイアンB級グルメの中でも定番ともいえる「サイミンスープ」から。サイミンスープは、日系移民から伝わったとされる汁そばで、見た目は素朴なラーメンといったところだ。しかし、味は干しエビベースのスープで、麺は中太のちぢれ麺だがコシがなく、ラーメンを想像して食べるとちょっと驚くかもしれない。

 サイミンスープだけでなく、さまざまなハワイアンB級グルメを楽しめるのが、老舗ドライブ・イン「リケ・リケ・ドライブイン」。ローカルフードや中華などメニュー豊富な家族経営レストランで、サイミンスープはサッパリ素朴な味わいだ。年中無休で、金曜と土曜は24時間営業もしているので、夜中に小腹が空いたらぜひ立ち寄りたい。

 続いて紹介したいのが、香ばしい匂いが食欲をそそるフリフリチキンだ。フリフリチキンとは、甘辛いタレに漬け込んだ骨つきの鶏肉を、フリフリ(「フリフリ」はハワイ語で回すという意味)しながら炭火で照り焼きにしたもののこと。ノースショア名物でもあるフリフリチキンは、ハレイワの週末限定屋台が有名で、ほかに学校のクラブやお寺の運営費を集めるバザー等で見かける以外、ワイキキ周辺で遭遇することはないという。

 そんなフリフリチキンをホノルルで週に1度楽しめるのが、ワード・ゲートウェイ・センターの駐車場に現れる屋台「ミーン・ダ・チキン」だ。秘伝のソースで焼くチキンはやわらかくさっぱりした味わい。なんと、おにぎりとのセットもあるのだとか。

 最後に紹介するのは、ハワイのローカルフード、オックステールスープだ。その名の通り、牛のしっぽの部分を煮込んで作るスープのことで、ハワイアンソルトを使ったシンプルな味わいが絶品。世界各地でさまざまな作り方をされているテールスープだが、ハワイのものは沖縄料理をアレンジしたのが始まりだという。うまみたっぷりのスープを堪能した後には、たっぷりのおろし生姜と醤油でテール肉をいただく。これが正しいオックステールスープの食べ方だ。

 ワイキキでオックステールスープを味わいたいなら、中心部の隠れ家グルメで有名な、アロハ・ベイクハウスがおススメ。6時間以上煮込んだテールスープは、醤油と生姜が効いたあっさり味で、地元でも評判だという。

 他にも、カニやエビなどを茹で、ビニール袋に入れて甘辛いタレなどを絡めた、アメリカ本土で人気のシーフードボイルや、中国人から伝わったハワイ版肉まんともいえる、マナプアなど、ハワイには隠れたB級グルメがまだまだある。

 いつものハワイに飽きた、リーズナブルな旅にしたい、ちょっと変わったものが食べたい……。そんな人は、ガイドブック片手にハワイに乗り込み、B級グルメを制覇してみてはいかがだろうか?