【てまり】刺し身を待つチマ
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【てまり】山口高子さん(右)と息子さんの吏(つかさ)さん
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【BAR猫】酒が並ぶ棚も歩ける細さ
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【BAR猫】由美子ママとアクビ
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【あしびなー】細身で顔が小さいクルー
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【あしびなー】カウンターとテーブル席と座敷。奥で三線を弾いているのが、金城吉春さん。中野で行われる沖縄のお祭りを作った人のひとり
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 いまや空前のブーム。街のあちこちには猫カフェがあり、ネットにはかわいい猫ちゃん動画や写真があふれ、数年以内にはペットとして飼育されている頭数が犬を抜くとまでいわれている。

【猫酒場フォトギャラリーはこちら】

 しかし、猫は好きだけれど猫カフェにはどうも恥ずかしくて行かれない。というよりも、お茶よりお酒が良い……という人は少なくないはずだ。他ならぬ筆者がそうなのだが、そんな猫&お酒好きのために、とっておきの「猫酒場」を3タイプ紹介したい。

 今夜は猫と一緒にお酒を楽しんでみてはいかがかな。

■客より猫が多いときもある 家庭料理の店で猫と食事

 飲食店が軒を連ねる新橋のSL広場近にある烏森神社。その並びにあるのが、「家庭料理てまり」だ。

 今年で開店から34年目となるこの店には、現在8匹の猫が暮らしている。さらにご飯を食べに来る猫が、他にも7~8匹はいるという。

 店に来る人は新橋だけあって、やはり会社員が多く、ほぼ100%が猫好き。なかには飼っていた猫を亡くした人や、これから飼おうと思っている人、猫は好きだけど飼えない人など、お客さんの事情もさまざま。

 料理はカウンターに置かれた日替わりの大皿料理だけで、決まったメニューはない。だいたい一品600円。加えて刺し身類がある。お酒は各種焼酎、サワー、ビール、角ハイ、そして日本酒。

 お店はお母さんの山口高子さんと息子さんの吏(つかさ)さんが切り盛りしている。もちろん猫の世話もふたりで。

 ひとりの常連さんが来店すると、入り口横の段ボールで微動だにせずに寝ていた、猫のチマちゃんがいそいそとカウンターのイスに上ってきた。

「このお客さんは刺し身をくれる!」とわかっているのだという。出てくるまでじっと待っている姿は、いっぱしの客のよう。だけど、待ちきれずにカリカリご飯を食べに行っちゃうところは、やっぱり猫!

 吏さんがお客さんの刺し身とは別に猫にあげる刺し身を小皿で出すと、大喜びでお客さんの手から刺し身をいただいていた。

 ひとりでもまったく寂しくならない猫酒場。おいしい料理もしっかり堪能したい。

■スレンダー美猫がカウンター かまわないとふて寝しちゃう!?

 上野の不忍口方面、中通りという飲食店街の雑居ビルにあるバー。その名も「BAR猫」。女性ひとりでも安心ですというキャッチコピーどおり、健全でおいしく飲めるバーだ。

 ママの三根(みね)由美子さんと一緒に店に出勤するのは、シンガプーラという種類のアクビちゃん(メス3歳)。「もっとも小さい猫」といわれるシンガプーラにしては大きいというアクビちゃんだが、スレンダーな体に小顔、大きな丸い瞳という、かなり美形のお嬢さんだ。

 客層は20代から50代までと幅広いが、「もっとも多いのは30代かな」と由美子さん。店内を歩き回る、美猫のアクビちゃんを目当てに来る人がほとんどだという。

 お酒は洋酒が多彩にあり、各種焼酎と日本酒もそろえている。ドリンク価格は500円からで、カクテルでも1000円を超えるようなものは数種類。つまみは400円から700円くらいのものがあり、チャージお通し として2~3品出てくる。それも由美子さんがしっかり手仕事をしたつまみだったりして、おいしいのだ。

 アクビちゃんは、そのたたずまいから貴婦人のような猫、といいたいところだが、どうやらまだ若く、遊んでもらいたがりのお嬢さんのようだ。店には猫のおもちゃもあり、遊ばせることもできる。しかし、お客さん同士が話に夢中になりかまってあげないと、棚に上ってふて寝してしまうこともあるらしい。

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