また、近親者が一人もいない場合には、いざというときの緊急連絡先が必要です。
「姪や甥、孫、友人、近所の人でいいのです。でもその人が重荷に感じないような配慮は必要。何かあったときには無理をして在宅にこだわらずに、施設に入ることも選択肢に加えてもいいでしょう。大切なのは『どうすれば自分らしく生きられるか』だと思います」(鈴木紀子さん)
そして、信頼できる人に大切なものの保管場所を伝えておくと、いざというとき便利です。
「自分しか知らないような大切な情報はないでしょうか。とくに緊急時に保険証がどこにあるのか周囲がわからず困るケースが多いです。『保険証と通帳をこのバッグに入れて、ここにしまっている』と伝えておけば安心です」(鈴木恵子さん)
■おひとりさまで最期を迎えるための5カ条
(1)医療・介護チームと連携をとり、各種サービスを活用する
在宅医、訪問看護師、ヘルパーは必須。ケアマネジャー、近くの訪問看護ステーションなどに相談を
(2)自宅で最期を迎える覚悟と自分の死へのイメージをしっかり持つ
死は怖いものではありません。看取りの体験談を聞くなどして、最期について想像を働かせましょう
(3)十分な貯蓄があれば行き届いたサービスが可能に
貯蓄を取り崩していませんか。500万~1千万円あれば、介護医療サービスを十分に利用できます
(4)緊急時に連絡できる頼れる友人、かかりつけ医など専門の人を持つ
姪や甥、孫、友人、近所の人でOK。第三者に緊急連絡先がわかるよう自宅に貼り出しておきましょう
(5)保険証や通帳などの大切なものの保管場所の情報共有
保険証や通帳、診察券、お薬手帳をまとめ、しまっている場所を信頼できる人に伝えましょう
(取材・文/小久保よしの)
※週刊朝日MOOK「自宅で看取るいいお医者さん」より抜粋