カナダで開催中の女子W杯で、ディフェンディングチャンピオンの日本は、決勝トーナメント1回戦でオランダと対戦。前半10分に有吉のシュートで先制すると、後半34分には阪口が追加点を決め、オランダの反撃をアディショナルタイムの1点に抑えて逃げ切った。日本は28日(日本時間)にベスト4進出をかけてオーストラリアと対戦する。
グループリーグは3試合とも1点差という僅差の勝利で突破した日本。いずれも前半にあげたゴールを死守しての逃げ切りだったが、これが今の“なでしこ”の強みと言える。相手の隙を見逃さず、チャンスと見れば果敢に攻め上がる。10分の先制点も宮間のクロスを大儀見がヘディングシュート。そのこぼれ球を決めたのだが、ゴールを決めたのはMF川澄ではなく、攻撃参加していたサイドDF有吉のクリーンシュートだった。
22分には左DF鮫島が大野とのワンツーで左サイドを突破して惜しいシュートを放つなど、ここぞという場面ではポジションに関係なく日本選手がペナルティーエリアに侵入してオランダゴールを脅かした。
追加点も交代出場の岩渕が起点となり、大儀見、宮間、岩渕と3選手が絡んでから最後は阪口が決めたもの。大儀見ひとりに突破を任せるのではなく、しっかりフォローした宮間の献身性と、阪口のポジションを確認してスルーした岩渕の頭脳的なプレーが生み出した、“なでしこ”らしい得点だった。