子どもの歯をむし歯から守るために知っておきたいのが、食べ物とむし歯との関係です。
「AERA with Baby 2015年6月号」では、むし歯を防ぐための食べ方や、むし歯になりやすいおやつについて、昭和大学歯学部教授の井上美津子先生に聞きました。
* * *
「むし歯菌は食べものの糖分と結びつくことで、酸を発生させます。この酸が歯の成分であるカルシウムやリンを歯から溶出してしまい、むし歯にしてしまうのです」と言う井上美津子先生。
糖分を多く含む甘いおやつを食べることは、むし歯のリスクをぐんと高める要因になります。
「おやつを与えてもいいのですが、内容や与え方を工夫しましょう」
一日に何度もだらだらと食べるのはNG。
「口の中は中性に近い状態に保たれていますが、糖分の多い食べ物を口に入れると『むし歯になりやすい状態=酸性』に傾きはじめます。酸性がpH5.5を超えると、歯の成分であるカルシウムやリンが溶け出してしまいます」
だ液による中和・自浄作用で、2時間程度あれば元の状態に戻すことができますが、時間を空けずに食べる食生活では、口の中が常に酸性になり、むし歯になりやすい状態に。規則正しい食生活が、きれいな歯を保つためには重要です。
■おやつは与え方や組み合わせを工夫して
おやつは子どもにとって、大事な栄養でもあり、楽しみのひとつです。むし歯になるからと心配して全く与えないのではなく、与える物を工夫すれば大丈夫。
「むし歯になりにくいものを選ぶだけで、口内環境はずいぶん違ってきます」