税と社会保障の一体改革関連法案をめぐる民主・自民・公明3党の修正協議は15日、合意が成立した。

 あれよあれよという間に「談合政治」が完成し、追いつめられたのは民主党の小沢一郎元代表(70)だ。野田佳彦首相(55)の協議の進め方に反発する党内中間派や、自民党内の反増税派の広がりに期待し、衆院採決をさせないシナリオを描いていた。14日に行われた「新しい政策研究会」の会合では、

「政権交代の主張をかなぐり捨ててでも消費増税を実現しようとしている。国民の代表としてどう行動するか。それが問われている」

 と所属議員に造反を促した。ところが、当てにしていた自民党内での反増税の動きは、「反対する議員を一人ひとりつぶしていったら、最後はほとんどいないことがわかった」(谷垣禎一総裁周辺)という体たらく。新政研幹部の一人は、

「結局、野田さんと自民党ががっちり手を結んで祈り合った。採決段階で、もうほかはあてにできない」

 と苦虫をかみつぶしたような顔で話す。

 今後の焦点は、野田首相が21日の採決に向けて、民主党内の了承手続きを滞りなく取り付けられるかどうかだ。15日の政調報告会では異議を唱える議員が続出したものの、中間派は首相周辺から「法案 が成立しても当面は解散しない」と吹き込まれ、すでに相当数が切り崩されている。

※週刊朝日 2012年6月29日号