電気、水、服、食べ物など、朝起きてから夜寝るまで、目にしたり手に取ったりしたものについてそんな想像力を働かせれば、SDGsが他人事とは思えないはずです。

●疑問(3)
自分一人が少しぐらい習慣を変えても、地球の未来は変わらないのでは?

 今回示した習慣はあくまで第一歩です。大事なのは一人一人が17のゴールを意識すること。その中から新しいアイデアが生まれたり、ビジネスが立ち上がったりするはずです。今の時代、その変化はあっという間に世界中の個人に伝わり、70億倍に増幅されます。

 地球の危機はもはや、政府や企業の努力だけでどうにかなるレベルではありません。このままでは確実に、今の生活を続けることはできなくなる。この星に住み続けるためには、私たち全員の力が不可欠です。SDGsは「No one will be left behind(誰も取り残されない)」が基本理念。弱い立場の人々を「取り残さない」だけでなく、全ての人々が「取り残される」ことなく参加しなければゴールは達成されないのです。

(ライター・井上有紀子、編集部・上栗崇)

AERA 2020年4月6日号より抜粋

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