昼寝の時間に関しては、長男はどうしても午前の昼寝が長時間になってしまうので、代わりに午後の昼寝を短くすることで帳尻を合わせた。寝かしつけは、以前成功したジーナ式を布団用にアレンジした方法(暗い寝室に連れて行き、動き回る長男をひたすら布団に戻し続け、眠るのを待つ)をベースにした。それまでおっぱいで寝かしつけていたため、吸いたがってどうしようもないこともあったが、そういうときは諦めて吸わせていた。ただ、そのまま寝落ちして「おっぱいを吸う」を「ねんねのサイン」として認識させないように、落ち着いたら一度離して、改めて一人で眠るように促した。
この4つだけを守ると決めると、気持ちがかなり楽になった。何よりたったこれだけでも「できた」という達成感が得られ、継続のモチベーションになった。そしてこの「ゆるジーナ式」を1カ月続けたあたりで、長男の生活がかなり変化していることに気づいたのだ。
まず、バラバラだった1日のスケジュールが、ゆるいなりに整い始めた。朝は7時~8時の間に起床。9時30分~12時の間に午前の昼寝し、昼食をはさんで15時~16時30分の間に午後の昼寝。昼寝は午前に1時間半、午後に1時間弱というパターンが多かった。昼寝の時間が定まってくると、その前後の授乳や食事の時間も自然と固定され始め、気づけば入浴も、毎日19時30分には終わるようになっていた。
スケジュールが定まると、睡眠も激変した。1時間以上かかっていた寝かしつけが30分程度になり、毎晩3回はあった夜泣きの回数が1回程度まで減った。日中に散歩させたり、遊んで疲れさせたりしなくても、毎日20時半前後には眠るようになり、結果、夜は5時間~8時間も連続で眠るようになったのだ。それまで長男には「なぜか機嫌が悪い日」というのが度々あったが、眠りが安定するとこれが完全になくなったのも、驚くべき変化だった。
1時間半ごとに夜泣きしていた頃からすると、劇的な変化だ。ただ10カ月という月齢上、単に成長して睡眠が安定したのでは、と言われると否定できない。しかしそれでも、睡眠に関して多くの発見があったし、長男なりのスケジュールを確立できてきたことは大きな収穫だった。何より、5時間以上の睡眠時間が確保できたことで、夫婦の疲労がかなり軽減できたことがありがたかった。
今回の実践は、「ジーナ式」がちゃんと成功したかという点では微妙だが、長男の夜泣き改善という意味では大成功だった。もし第2子をさずかったら今度はもっと早く実践してみたい……と思う一方で、また途中で心が折れてしまう予感も、少しだけしている。とりあえずその時が来るまで、本は大切に保管しておこう。(ライター・山田美月)