小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中
小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中
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日本航空(JAL)の職員らが4月から着用を始める新制服。パンツスタイルを取り入れ、パンプスの着用規定も撤廃する。2019年7月撮影 (c)朝日新聞社
日本航空(JAL)の職員らが4月から着用を始める新制服。パンツスタイルを取り入れ、パンプスの着用規定も撤廃する。2019年7月撮影 (c)朝日新聞社

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

【写真】日本航空(JAL)の職員らが4月から着用を始める新制服

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 この4月から、JALが女性の客室乗務員(CA)の制服にパンツスタイルを取り入れ、靴の規定を見直しました。ヒールの高さが最低でも3センチはなくてはならなかったのが、0センチでもOKに。ローファーやドライビングシューズも可。

 やっとです。#KuTooの功績です。ついに実現したのですね。パンツスタイルにローファーの「色気のない」スタイルでも、堂々と働けるようになって本当によかった。女性スタッフは男性の目を喜ばせるためではなく、乗客の安全のために働いているのだから、動きやすく快適な服装が第一です。スカートにパンプスがしっくりする人もいる一方で、足の痛みなどのトラブルを抱えていた人も大勢いるはず。以前、オランダのKLM航空に乗った時には、パンツにフラットシューズでさっそうと働く女性CAの姿が印象的でした。

 日本の航空会社の特徴は、男性CAの圧倒的な少なさ。機内のセキュリティー対策としても、もっと男性CAを増やすべきです。CAの過剰なおもてなしも気になります。私がよく乗る海外のエアラインのCAは女性はテキパキ、サバサバしていて、男性の方が丁寧な印象。サービスは親切ではあるけれどかしずく感じではなく、男女が同じように業務をこなしています。機内アナウンスも事務的で手短です。対して日本のCAは気の毒になるほどへりくだった言葉遣いや物腰で、アナウンスも異常に丁寧。着陸してから駐機場に着くまでの季節感を盛り込んだお見送りアナウンスも謎のサービスです。

 かつてはビジネスマンのおもてなし要員として、CAはしとやかに華やかに美しく……だったのかもしれないけど、変える時が来ました。お客様は神様ではないし、女性は見せ物じゃない。それがどこの職場でも当たり前になるといいですね。

AERA 2020年4月6日号