そのポジティブなキャラクターが人気を博し、バラエティー番組でも活躍するアン ミカさん。作家・林真理子さんとの対談では、貧乏時代や愛する夫との暮らしぶりまで、マリコさんが迫ります。
【前編/パリコレも父のおかげ? アンミカが明かす“父との三つの約束”】より続く
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林:アン ミカさんは「口角を上げて笑いましょう」ってよくおっしゃいますよね。無理に口角を上げると鼻のところにシワが寄るんですけど、どうすればいいんですか。
アン ミカ:いいシワをつけていくって大事で、眉間に縦のシワはイヤだけど、笑顔になったときの目尻のシワとか口角のほうれい線って、あるほうが相手にいいエネルギーが伝わるんです。目尻のシワと口角のほうれい線を消すと、人形みたいになっちゃう。特に鼻の下のほうれい線の筋肉が衰えると、鼻の下が伸びちゃって、おばあちゃんの顔になっていくんです。だから、唇を結んで口角だけを上げる。(実演しながら)この顔の練習をするんです。そうすると鼻の下が伸びません。
林:あ、すごい変顔(笑)。
アン ミカ:電車の中ではやらないでください。びっくりするんで(笑)。40年ぐらい前まで、日本の女性は歯を見せて笑ってはダメと言われてきて、口を隠す文化だったんです。だから唇の端の筋肉は世界のどこの人よりも硬いんですよ。ここの筋肉を上げるには、口を結んで口角だけを上げる練習をするんです。顔筋をちゃんと勉強すると、どこを鍛えれば顔がずっと若くいられるかがわかります。
林:アン ミカさんは昔からそうやって口角を上げながらお話しになってたんですか。
アン ミカ:私、3歳のとき済州島から日本に来てすぐに、ケガで口の上の大半を切ってしまったんです。笑うと唇がベロンとめくれ上がる顔になってしまって、周りの子どもたちに「お化けだ。コワい」って言われて、コンプレックスのかたまりだったんですよ。人前で笑えない暗い子だったんです。