新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令を受け、秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣になったことを国内外に示す「立皇嗣の礼」が延期される見通しとなった。
菅官房長官は4月10日の記者会見で、19日の「立皇嗣の礼」は「延期の方向で調整している」と言及したのだ。ギリギリの判断であったことは、前日の9日まで宮内庁で、侍従や職員が儀式の装束を着用しての予行である習来(しゅう・らい)が行われていたことからもうかがえる。
「立皇嗣の礼は、国事行為ですから、決行か延期かを決定するのは内閣府です。もし予定通り執り行われた場合に、準備不足で落ち度がありましたでは、済まされません。正式な延期の知らせがあるまでは、準備を続ける以外の選択肢はありませんでした」(宮内庁関係者)
政府は延期についてまだ正式な発表をしていないがすでに、一部の関係者には延期の連絡が届いているという。
「延期した儀式が夏になるのか秋になるのか、まったくわかりません。儀式だけならば陛下と皇族方、首相など最小限のメンバーで執り行えないことはない。しかし、新型コロナウイルスによる犠牲者は世界で10万人を超えた。そのなかで、祝賀要素のある儀式を行うわけにもゆかないでしょう」(同)
もともと宮内庁としては、規模は縮小しても「立皇嗣の礼」は予定通り行いたい、との思いもあった。
だが3月に入ると世界中で急激な感染拡大が始まった。さらに、衝撃を与えたのは、海外のロイヤルメンバーへの感染だった。チャールズ英皇太子やモナコのアルベール2世公の新型コロナウイルスへの感染が明らかになり、3月末にはスペインのマリア・テレサ王女が亡くなった。
「万が一にでも、陛下や皇族方までもが感染することがあっては…という思いを誰もが抱いた」(前出宮内庁関係者)
宮内庁でも、手洗いの徹底など基本的な感染防止対策は行うものの、特別なことができるわけではない。 マスク不足も同じだ。