犬の散歩は日本よりも規制が厳しい海外でも認められているようだ※写真はイメージです(C)GettyImages/ucpage
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一定の間隔を空けつつも、人の流れが絶えなかった隅田川の河川敷
一定の間隔を空けつつも、人の流れが絶えなかった隅田川の河川敷

「明らかにいつもより人が多くてちょっと驚きました。コロナの影響でしょうね」

【写真】緊急事態宣言後の隅田川の河川敷の様子

 日曜朝10時過ぎの東京・隅田川の河川敷。ランニングをしに来た男性(30)は、いつもの週末とは違う光景を目にしていた。

 新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言後に初めて迎えた週末の4月12日午前、河川敷には黙々と走るランナーや、小さい子どもを連れた夫婦、犬を散歩させる人、ベンチで新聞を読みながらタバコを吸う人、釣りをする人など、一定の間隔が保たれつつも、老若男女の姿が絶えなかった。この日はくもりのち雨の、やや肌寒いくらいの天気。河川敷の様子は、「外出自粛疲れ」がすでに表れているようにも見えた。
 
「Stay home」。東京都の小池百合子知事は会見のたびに、都民に「外出自粛」を呼びかけている。しかし、あくまで要請であって、義務ではなく、罰則などもない。では、どこまで個人の屋外での活動は許されるものなのだろうか。

 日本とは規制が異なるものの、参考に海外のケースに目を向けよう。感染の広がりなどが日本の2、3週間先を行くといわれているパリ。フランス政府は3月17日、外出を禁止する政令を出した。例外は、生活必需品の買い物や、自宅から1キロ以内で行う運動など。犬の散歩も例外だ。

 フランス在住15年以上の日本人の女性は、政令が出て以降も飼っている小型犬の散歩のために近所に出かけている。ただ、外出許可の理由証明書に、該当する理由にチェックを入れ、住所や日付を記入し、それを持ち歩いている。検問があれば、証明書を見せる必要があるからだ。

 政令施行直後には、散歩中に同じように犬を連れた男性から、こんなことを言われたという。

「いやあ、最近、本当に犬を飼っててよかったって思うよね」

犬の散歩は政府に正当な理由として認められているので、制限下でも堂々と外にでることができるという意味のようだ。

「犬の散歩」がわざわざ例外として規定されていることについて、疑問を感じる人もいるかもしれない。女性は次のような文化的な背景を説明してくれた。

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フランスは犬に関して寛容な国