外出だけが「不要不急」ではない。実は、仕事のなかにもたくさんある。コロナ騒動下で注目されているサービスやツールが果たしたのは、そんな「無駄」に気づかせてくれることでもあった。AERA2020年4月20日号では、働き方改革「三種の神器」となるSlack、Zoom、Dropboxを紹介。その中から、ここでは話題のコミュニケーションツール「Slack」に触れる。
【徹底調査】ヤフー、ソニー、ローソンなど、26社に「新しい働き方」アンケート! 結果はこちら
* * *
「おつかれさまです」「お世話になっております」「先日はありがとうございました」。こんなビジネス枕詞が消える日も近いかもしれない──。
それを予感させるのが、ビジネス用のコミュニケーションツールとして、いま世界中で人気が高まっている「Slack(スラック)」だ。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレワークに移行する企業が急増。リモートでの仕事に相性が良く、利便性が高いSlackなどのオンラインサービスの利用者が世界中で増えている。たとえばSlackは、コロナ禍の2月1日から3月25日までの約2カ月で9千社の新規有料ユーザーをグローバルで獲得したという。
Slack以外にも、オンラインでテレビ会議などができる「Zoom(ズーム)」や、パソコンやスマートフォンでどこにいてもファイルのやり取りが簡単にできる「Dropbox(ドロップボックス)」は注目の的。いわば、働き方改革における“三種の神器”といえよう。
「Slackなんて知らない!」
そんな人のために説明しよう。
Slackの特徴は、メッセージを送る際の気軽さにある。目的に合わせて「チャンネル」と呼ばれる部屋を作り、メンバーを招集。業務のミッションごとに分けて進められるので進捗などがわかりやすい。メールでよくあるのが、CCにたくさんの人を入れて長文のやり取りを続ける“Reの応酬”だ。こういった不毛にも思えることがなくなるだけでなく、何より、冒頭のような本題に無関係ともいえる枕詞を挟む必要がない。