――ほかに冷え性対策でされていることはありますか?
壇蜜 いつも水筒を持ち歩いていて、ほうじ茶やプーアル茶、ウーロン茶、ルイボスティーなど温かいお茶を飲んでいます。それから、寒い夜はリゾット。白ワインと生米とマッシュルーム、玉ねぎのリゾットをよく作ります。からだが温まりますし、ごはんの量が少なくてもおなかが膨れるから胃に優しい。仕事で緊張したまま家に帰っても上質な睡眠でしっかりリセットするように心がけていますが、リゾットは寝やすいからだをつくるためにもいい。
冷蔵庫でベーコンと目が合うと入れたくなりますが「君は明日焼いてあげるからどきたまえ」。冷凍エビとも目が合いますけど「君はもうちょっと冷蔵庫のムードメーカーでいてくれ」って言って。すごくシンプルな材料を20分くらいコトコト煮て、その間にペットの世話とかできることをやるんです。ボリュームのあるものやジャンクなものを食べたい日もありますが、食べた後にしっかり眠れるかを考えると、コンディションがよくないときは引き算の料理が大切です。
――料理上手なおばあさまに憧れて、調理師免許を取得されたそうですね。ご実家のお料理で、家族の健康を思って作られた思い出の味があれば教えてください。
壇蜜 私は小児アトピー性皮膚炎でしたし、風邪をひきやすくせきが出やすい体質だったんです。肌がカサカサして「かゆいかゆい」と言っている私のために、祖母はコラーゲンを含んだ煮こごりをよく食べさせてくれました。
鶏やカレイの煮こごりを薄く伸ばしてからさらに固めて、しょっぱくないようにしてくれました。からだを温めるためにしょうがも入れてくれましたね。揚げ物はなるべく控えて、コロッケも揚げずにオーブンで焼くタイプ。母はお肉が好きですが、温かくて消化しやすい煮込み料理をよく作ってくれました。祖母も母も大切にしていたのは、みそ汁を飲む習慣。そうやって私の体調を配慮してくれたんでしょう。よく言われる「医食同源」という言葉のベースには、こうした家族を守るための知恵があると思います。
※週刊朝日ムック『本格漢方2020』より。誌面では壇蜜流・美容法も大公開
(取材・文/大室みどり)
(プロフィール)壇蜜/1980年、秋田県生まれ。タレント。調理師免許、日本舞踊坂東流師範免許、遺体衛生保全士資格など数々の資格を取得、多彩な職種を経験後に、29歳でグラビアデビュー。昨年11月、漫画家の清野とおる氏と結婚。著書に『はんぶんのユウジと』(文藝春秋)、『はじしらず』(朝日新聞出版)など。
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