NHK大河ドラマ「麒麟がくる」は、衣装がカラフルで派手だと話題になっている。実は戦国期は人々が色とりどりのファッションを楽しんだ時代だったのである。
「ドラマの中に出てくる武将や市井の人たちの衣装は、多少派手なところはありますが、当時の衣装を反映しています」
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で風俗考証を担当している立正大学教授の佐多芳彦さんはそう語る。
佐多さんはこれまでに「平清盛」「おんな城主 直虎」「真田丸」などの大河ドラマをはじめ、数多くの歴史ドラマで衣装などの風俗考証を手掛けてきた。
佐多さんによると、戦国時代は、平安以来の派手で華やかな貴族社会の衣服の文化と、簡素で機能的な武士の衣服の文化が、儀礼やしきたりに影響を受けない“小袖”という日常着と出合い、合流したという。小袖は流行となり、身分や地域を超えて発展していったと解説する。
佐多さんは「小袖の持つ魅力はすごいものです」と強調する。
小袖は現在の和服のもとになったものとされる。袖口が小さく、平安時代は貴族の内衣(下着)であったが、服装が簡略化され貴族の上衣となっていった。