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長いところではもう2カ月近くに及んでいる登校自粛期間。学校はもちろんのこと図書館にも塾にも行かれず、ひたすら家でプリントとにらめっこ。そのうえ4月に入ると、新年度の教科書だけがドサっとやってきて……。
一体何から手をつけていいのか、困っているご家庭も多いだろう。そこで、新しい教科を自宅で楽しくスタートさせるための方法を紹介! 今回は、今年度より小学3年生からカリキュラムがスタートする「地図」の勉強を楽しむ方法を紹介する。
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2020年度から、社会科では「地図帳」の使用開始が小学4年生から小学3年生に繰り上がった。小学3年では地図の基本的な読み方や地図帳の使い方を学び、小学4年からは日本の47都道府県の名前と位置を学習する。
とはいえ、行ったことがない土地の名前や特徴を覚えるのは、大人でも簡単ではない。しかも今年は新型コロナウイルスの影響で大型連休はステイホーム、夏休みも短縮の公算が高く、国内旅行はとても難しい。京都の祇園祭(山鉾巡行)や青森ねぶた祭、徳島市の阿波踊りといった毎年多数の観光客が訪れる夏まつりも、続々中止となっている。
そんな状況の中、日本にはどんな都道府県があるのか? 場所は? 形は? 特産品や主要な産業は? 自宅でそんな勉強をはじめるためには、まず都道府県そのものに興味をもってもらう必要がある。
そこでオススメしたいのが、今年3月に発売された『たたかえ! 47都道府県ヒーローズ』(朝日新聞出版)だ。47ある日本の都道府県をすべて、ヒーローとして擬人化。身につけている衣装や装備品をよく見ると、都道府県の主要な産業や特産品、名所などがわかるようになっている、という仕組みだ。
たとえば大阪府のヒーロー「ミスタークイダオレ」。かっこうは大阪・道頓堀のシンボルだったくいだおれ人形がモチーフで、両手に持っているのは名物のお好み焼き、衣装にちりばめられているねじは東大阪市の町工場をあらわし、髪飾りは2019年に世界遺産となった百舌鳥・古市古墳群の大山古墳をかたどっている(キャラクターのデザインはすべてAUN・幸池重季)。
「ジョンガラスター」は青森県のヒーロー。背中に背負っているのはもちろん青森ねぶたで、手には津軽三味線をもち、耳当てのモチーフは県南部の特産品であるニンニク、といった具合だ。
ヒーローにはそれぞれ得意技や趣味、好きな食べ物といった情報もあり、細かく読めばさらに都道府県のことがわかる仕組みになっている。「ジョンガラスター」の好きな食べ物はこれも青森県南部の名物料理、南部せんべいを割って鍋にした「せんべい汁」。友だちは高知県ヒーローの「ハリマヤカツオ」で、一本釣り(青森はマグロ、高知はカツオ)について語りあう、という設定だ。ちなみに彼らは、各都道府県の形にもトランスフォームすることができる。
パズルで日本地図がおぼえられる『くもんの日本地図パズル』(くもん出版)や、都道府県の形を動物や果物の形にかたどった『1日10分でちずをおぼえる絵本』(白泉社)など、都道府県の形や場所が楽しく覚えられる本やグッズがたくさん登場している。『たたかえ! 47都道府県ヒーローズ』でさらに、都道府県の特徴や名産品も含めて親しみをもってもらえれば、地理の「宅勉」もぐっとはかどるのではないだろうか。
机に座って、ただ地名や特徴を字面で覚えても決して頭には残らない。だからこそ、少しでも楽しく、ゲーム感覚で47都道府県を“理解”することをオススメしたい。新型コロナ収束後に、以前と同じように学校生活を楽しむためにも、お家にあるさまざまな誘惑に負けず、勉強を頑張ってほしい。