コロナ禍が浮き彫りにした与党内の人材不足。そんな中で存在感を強めるのは、地方自治体の首長たちだ。国の方針と対立して個別業種への休業要請に踏み切った東京都の小池百合子知事、全国でいち早く緊急事態宣言を発した北海道の鈴木直道知事、外出自粛や休業の要請解除について国が基準を示せない時は「大阪独自の『大阪モデル』を作りたい」と表明した大阪府の吉村洋文知事などの動きが日々、注目を集めている。
前出の角谷氏は、こうした知事らに共通する政治スタイルについてこう語る。
「中央から地方に指示が下り、お上の顔色をうかがいながら決裁するという平時の常識が今は通用せず、臨機応変の判断と独自策のセンスが重要になっている。今後、地方の首長を含め、これまで光が当たってこなかった者たちの中から、次世代の首相候補が出てくるかもしれません」
社会の常識が覆るとされるコロナ後の世界。永田町の論理も、いよいよ終焉を迎えるのかもしれない。(本誌・西岡千史、秦正理/今西憲之)
※週刊朝日 2020年5月22日号