「民主党のブレーン」と呼ばれた榊原英資・青山学院大学教授は、野田政権が苦境を打開する策のひとつとして、「小沢財務相」案を提案する。
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 そもそも政権交代に期待したのは、民主党は自民党と違って、欧州型福祉社会をつくる方向をめざすと考えたからです。子ども手当の創設や高校無償化などが当てはまります。日本の錆(さ)びた仕組みを抜本的に変えてくれると思っていました。事実、最初はそういう方向性をみせました。
 ところが、野田政権になって、子ども手当の廃止をはじめ逆転し始めました。これは、ひいては民主党の歴代政権の失敗とも言えます。改革の期待を持たせて、結局頓挫しただけではなく、自民党時代よりも悪くなった。国民一般に失望感が広がってしまったのです。
 この状況を立て直すには、まず小沢(一郎・元代表)さんを筆頭に全民主党で組閣をする。民主党内にもたくさんいる専門家を登用するのです。たとえば、小沢さんを財務相にしたら、大きなことをやってくれるでしょう。世の中がだいぶ変わってくるでしょう。

※週刊朝日

 2012年4月27日号