■ヨガ教室にもサブスクモデル リアルスクールの2倍近くが申し込み

 いまや、オンラインサービスには欠かせないサブスクリプションモデル、通称サブスク。主に音楽や映画などを月定額で楽しめるモデルとして浸透した。そのサブスクが、自分磨きの世界にも広がっている。

 東京・代々木にスタジオを持つアンダーザライトヨガスクールは、5月からサブスク型のオンラインヨガスクール「ヨガ放題」をはじめた。50人以上のインストラクターが指導にあたり、月200以上のレッスンがライブ配信される。月額7000円。同校ではスタジオのドロップイン講座の受講料が1回3000円なので、3回受講したら元が取れる設定だ。すでにこれまで同校に登録していた生徒の約2倍近くの新規申し込みが来るなど反響は大きい。

 きっかけは4月に企画していたヨガイベントだ。例年、約3万人の来場者がある大型イベントが、コロナウイルスの影響で開催できなくなった。そこで同社代表の倉持倫之さんは決断をした。

「イベント会場で行うはずだったレッスンをすべてオンライン配信に切り替えました。価格はイベント入場料の3分の1程度にしたところ、当初予定していた来場者数の約6倍の申し込みがありました」

 この成功を経て、休校していたスタジオのレッスンをオンラインで再開。その後、サブスクモデル「ヨガ放題」を新規オープンした。
レッスンは、講師が自宅やスタジオから、Zoomウェビナーを使って配信をする。講師を二人体制にして、一人はお手本を、一人は生徒のポーズをチェックするなどオンラインならではの工夫も凝らした。生徒側は自身の姿を映さなくてもいいので、「ノーメークで参加できる」「人の目を気にせず集中できる」と評判だ。

 海外在住の人気インストラクターの授業なども企画されている。自宅にいながら一流の指導を受けられるのは、オンライン時代の恩恵といえるだろう。

 まだ試行錯誤の段階だが、同社の配信統括である船越弘志さんは「オンラインヨガの未来は明るい」と話す。
「ヨガを行うことの価値のひとつに、人と会うこと、人とつながることがあります。ライブ配信では、同じ空間にいなくても、同じ時間、同じ経験を共有することができる。そこがDVDやYouTubeとは違いますね」

 今後は早朝クラスなども増やす予定。自粛疲れもたまってきたこの時期に心身を整えたい人にはうれしいサービスだ。

 コロナ禍を逆手にとって、急速に進化しているオンラインサービス。これからの時代、自身のレベルアップ手段のメインストリームになるかもしれない。
                    (文・カスタム出版部)

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