■「切り方は?」「焼き加減は?」 プロの料理人に直接質問もOK

 プロの料理家と一緒に料理できるサービスもある。

 東京と大阪で、ワインショップやワインレストランを展開しているフジマル(株式会社パピーユ)。コロナ禍で、自社のレストランで開いていた料理教室を3月に中止した。しかし、「家にいる時間が長くなる時こそ、自宅でプロのレシピを味わってもらいたい」と、5月にオンラインでの料理教室「フジマル料理部」を開設した。

 参加者には事前に、当日の料理メニューと必要な材料が書かれたレシピが届く。加えて、希望者には当日のメニューに合うワインも送られる。価格はレッスンのみで3000円、ワイン3本付きで1万円程度。レッスンはZoomで行われ、1回目はフジマルの料理人でありメニュー開発や料理教室の講師を務める木邨(きむら)有希さんが登場した。

「食材のリアル感と温度感を伝えたかったので、カメラは3台設置しました。ガス台の上、手元のアップ、正面全体。3アングルを同時に見てもらえるようにしました」

 4~8人の少人数制で、参加の仕方はそれぞれ。メモを片手に学ぶ人もいれば、材料を準備して先生と同時に調理する人もいる。なかには小さなお子さんを背中におぶったまま調理している人も。
「切り方をアップで見たいです」「焼き加減はこれくらいでしょうか」と質問が飛び交う。その都度、木邨さんが画面を通じてアドバイスをする。デモンストレーション形式の料理教室の場合、全員がすべての工程を同時に作業するのは難しいが、オンラインだとそれも可能になる。ソムリエによるワインを解説も行われる。

「悩んだのは試食をしてもらえないこと。せっかくプロの料理人が教えるのだから、生徒さんは味を確認したいだろう、と思っていました。でも、料理に正解はないので、作ったものを食べておいしかったらそれで成功なのでは、と。今後は料理教室のレシピをお店で提供するなどの方法も考えています」

「この素材を使った料理をしたい」「家にあるワインに合う料理を教えてほしい」など、個別のオーダーに応えるプライベートオンライン料理教室も始めた。自宅のキッチンでプロの料理人に指導してもらうようなぜいたくさも、オンラインならではだ。


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