中日・根尾は「名古屋のスター」となれるのか? (c)朝日新聞社
中日・根尾は「名古屋のスター」となれるのか? (c)朝日新聞社
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「今年の中日は強い」と多くの関係者が口にする。開幕延期(6月19日に開幕)となり実体はまだ明らかになっていないが、11年以来の優勝を期待する声も多い。

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『日本の真ん中』名古屋は天下をとった徳川家のお膝元。勝負事に対するこだわりは強く、中日に対する思いも熱い。結果を求め、チームや選手に対する要求も高い。

 そんな名古屋の地でドラゴンズのスター選手になるにはハードルが必然的に高くなる。長年にわたり貢献し、同時にチームも頂点に立たなければ、なかなか認められない。

 試合に出続ける野手の場合、それが顕著に現れるようだ。時代背景や主観にもよるが、木俣達彦(捕手・在籍19年)や高木守道(内野手・在籍21年)、中利夫(外野手・在籍18年)、谷沢健一(一塁手、外野手・在籍17年)、そして立浪和義(内野手・在籍22年)あたりが該当するだろうか。

 中日が強い時代、そこには生え抜きのスター選手がいる。

 80年代の中日を強打で牽引した『うーやん』こと、宇野勝もその1人。中日在籍は16年、プレー以外のインパクトも含め『名古屋のスター』と呼べる選手だった。

 その宇野が目をかけているのが、根尾昂と石川昂弥だ。

●石川昂弥の4番定着が恐竜打線復活のカギ。

「今の日本球界であれだけ遠くへ飛ばせる打者はいない」

 真っ先に出て来た名前はルーキーの石川。愛知県半田市出身、東邦高から19年オフのドラフト1位で中日入団。U-18日本代表の4番打者は高校通算55本塁打の長打力が魅力だ。

「高卒新人がセンター方向へあれだけ大きな打球を打てる。それだけでも大変な魅力がある。もちろん技術的にはこれからもっと磨かなくてはいけないが、試合に出るべき選手。ナゴヤ球場のあそこまで飛ばせる選手はそんなににいない。僕自身、現役時代にやっていた球場だから凄さがわかる。それだけの説得力を持っている」

 3月24日のオリックス戦(ナゴヤ球場)。2軍練習試合ではあるが中堅後方へプロ初本塁打を放った。かつて本拠地としてここで何本も本塁打を打った宇野氏は、石川の飛距離に驚いたという。

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根尾は内野手で育てるべき?