――改めて「離婚後300日問題」について、その思いを聞かせてください。
娘の保険証を加藤の姓で作ろうとしたら、役所の方から「離婚後、300日以内に生まれた子は別れた旦那の籍に入ってしまう」と言われたんです。もちろん私の勉強不足もありますが、そんなことは全く知らなかったので驚きました。そもそも離婚後の日数で子どもの戸籍の所在を決めることに正当性があるのかどうか疑問でしたし、いまはDNA鑑定だってできる。それで勉強したら、その法律は明治に作られていたんです。当時はDNA鑑定なんてできない時代ですから仕方がないとしても、なぜ変わらないまま現在まで続いているのか納得がいかなかったんです。
――そもそも子どもの父親は誰ですか?
それについては公表するつもりはありません。「紗里の子ども」です。
――「離婚後300日問題」については、これまでも議論がなされてきましたが、国会や政府が本腰を入れて民法改正に取り組むことはありませんでした。今後、法律を変えるためにどの程度本気で取り組んで行くつもりですか?
さきほども話しましたが娘に関わることなのでガッチガチの本気でやります。その手段は素人なので周りから見たらバカっぽく見えるかもしれません。でも紗里は本気でこの法律を変えたいと考えています。
――応援演説後、ネット上には「お前がシングルマザーの代表として語るな!」や「離婚したお前の責任」という声もありました。
確かにありましたが、普段から非難ばかりされている紗里からしたら、その数は本当に少ないですし、ほとんどが紗里個人に対する攻撃です。「児童手当も元旦那に支払われる」という発言に対して「お前は必要ないだろ」とか「ブランドバッグを売れ」という声もありましたが、さすがにそれには笑ってしまいました。紗里個人だけの問題として発言しているわけではないので。そうした個人攻撃はありましたが、「法律を変えよう」という発言に対して反対や非難の声はほとんどなかった。それどころか同じような経験をしたシングルマザーの方からたくさんの励ましの言葉をいただきました。彼女たちは育児と仕事で多忙な日々を送っているので声をあげる余裕すらない。紗里も出産後は睡眠不足の毎日が続いていますが、まだ彼女たちよりはこうした活動にさける時間があります。同じような境遇にいるシングルマザーが悲しまないためにも今後も発言は続けていきます。