某日──、友だちのみかりん(わたしの高校のころの親友・しんちゃんのよめで、四十年以上のつきあい)から電話があった。週刊朝日のエッセイを読んで、わたしとよめはんが毎日、麻雀をしていると知り、家に呼んでくれという。もちろん、わたしに否はない。すぐ芸大のころの麻雀友だち・えいじくん(こちらは五十年来のつきあい)に電話をして日取りを決めた。

 当日──。午前十時にメンバーが来た。よめはんを含む四人による三人打ちだ。ルールを説明し、レート(黒川ヒロムさんよりずっと小さい)を決めて、いざスタート。午後七時まで打ち(サンマーは常にひとりが休めるからそう疲れない)、予約していた中国料理の店に行ってコース料理を食った。払いはその時点のトップがすると決めていたから、よめはんがして家に帰り、またスタート。白熱の戦いは午前五時ごろ、よめはんが荘家(オヤ)の国士無双をツモあがりして決着がついた。みかりんとえいじくんが負けて、わたしはイーブン、よめはんのひとり勝ちだった。

「なんと、お強い」
「ツイてただけです」
「いやいや、打ちまわしに得もいえんめりはりがあって、とてもやないけど、かなわんです」

 ここぞとばかりゴマをすると、よめはんは呵々(かか)と大笑いした。分かりやすい。

 午前六時に解散。えいじくんを駅に送って帰ると、よめはんはテレビの前で眠りこけていた。こら、口を閉じんかい──。

週刊朝日  2020年7月10日号

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