佐久総合病院佐久医療センター小児科医長 坂本昌彦さん/名古屋大学医学部卒。出前講座やアプリ、SNSを通じて子育て支援する「教えて!ドクター」プロジェクト責任者
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 大人だけでなく子どもの新型コロナ感染についても疑問は尽きない。夏場のマスクや遊びなどについて、子ども佐久総合病院佐久医療センター小児科医長の坂本昌彦さんが解説する。AERA2020年7月6日号から。

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Q1:感染も熱中症も心配。でもずっとマスクは無理

坂本:2歳未満のマスクは危険。2歳以上も無理強いしないで

 子どもの感染を心配する親御さんは多いと思いますが、世界中の研究で子どもの感染は少ないこと、ほとんどが同居する家族からの感染で子ども同士の感染はまれであること、子どもの重症例は極めて少ないことがわかっています。北九州の小学校でクラスター発生がありましたが、例外的なものであり、過度に恐れる必要はありません。

 子どもは大人より熱中症にかかりやすく、マスクをしていると息苦しくなりやすいので、大人より基準を甘くする必要があります。特に2歳未満にマスクをさせるのはやめましょう。窒息したり、吐いたものが喉に詰まったりするリスクがあります。2歳以上でも体調不良を言葉で訴えられないことがあるので、無理強いは禁物。おしゃべりしない状況であれば、外してOKです。真面目な子は苦しくても我慢しがちですし、遊びに夢中になっていると体調変化に気づきません。大人から「つらくない? 苦しかったら外していいよ」と声をかけてください。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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