

丸山茂樹氏は、国内女子ツアーの開幕戦で5年ぶりに優勝した渡邉彩香選手に労いの言葉をかける。
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いやあ、久々の明るい話題でした。約4カ月遅れとなった国内女子ツアーの開幕戦「アース・モンダミンカップ」(6月25~29日、千葉・カメリアヒルズCC)で、渡邉彩香(26)が5年ぶりの優勝を飾りました!
彼女には折に触れてアドバイスさせてもらってきました。シーズンオフにはアメリカで一緒に練習したこともあります。5年ぶりに勝って流した涙を見て、長い間辛抱してやってきた心の強さを思いました。
いろんなことを直したりするのにすごく時間がかかったと思います。努力のたまものですね。ほんとに努力家なんで。ようやく結果が出てくれて、すごく安心したでしょうね。
もともとフェードが得意だったのを変えようとしてうまくいかず、悩んだ時期があったみたいですね。僕はフェードでよかったと思うんですけど、彼女の中で何かがあったんだろうと思うんです。僕に主にアドバイスを求めてきたアプローチに関しては非常に上達してくれましたし、ほんとによかったと思います。
一昨年は賞金ランキング55位、去年は115位まで落ちましたけど、新型コロナウイルスの影響で試合がなかったことで、そういう悪循環がリセットできた部分もあったんじゃないかと思います。僕なんかも調子を崩したりイップスになったりしたとき、いったん現場から離れて冷静にいろんなことを考える時間ができたり、試合の緊張感から解き放たれると、またそういうのがリセットされてよくなるってことがありました。ちょうど彼女の流れが悪い中で、コロナ禍になって自分のゴルフに向き合える時間ができた。ピンチがチャンスにつながったのがあるんじゃないかと思います。
2016年のリオデジャネイロオリンピックの出場権をギリギリで逃して、悔しい思いをしました。このままグンと成績が上がってくれさえすれば、またオリンピックのチャンスも出てくると思います。いまの状況だと「来年なら100%できる」っていう保証はゼロなので、東京で開催されるのがベストなんですけど、ともかく次のオリンピックに向けて、いいチャンスができたと思います。