糖質オフもプチ断食などさまざまなダイエットを試しても続かない。そんな人も少なくないはずだ。だが、思考を少し変えるだけで成功した人たちもいる。AERA 2020年7月20日号では、彼らの成功例とおすすめの簡単自炊レシピを紹介する。
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「今、ここ」に注意を向けるマインドフルネスの理論を使い、実際にダイエットに成功したのが、心理カウンセラーの吉村園子さん(42)だ。幼い頃から太りぎみで、小学生時代のあだ名は“デブリン”。リンゴダイエット、糖質オフ、置き換え、レコーディング、プチ断食……。あらゆるダイエットを試してきたが、どれも長続きしなかった。だが40歳のときに一念発起して再びダイエットに挑戦。そのポイントは「いかに自分の心がご機嫌でいられるか」。
まず、「食事は自分自身をおもてなしする時間」と考えた。食材は質の良いものを使用、安いものをまとめ買いするのはやめた。食事中はテレビの電源を切り、スマホは手の届かないところへ。食事を並べてもすぐには手をつけず、「今、どのくらいおなかが空いているのか」を自分自身に問いかけた。丁寧に食べることで、おなかいっぱいになるサインを見逃さず、食べ過ぎを防げるようになった。次第に自分の適量もわかってきて、それまでよりずっと少ない量で満足できるようになってきた。
結果、7カ月で13キロの減量に成功。身長156センチ、体重65キロ、体脂肪率34%だった吉村さんは、現在に至るまで51~53キロをキープしている。今夏には自身のダイエット法をまとめた『40年間おデブだった私がリバウンドなくスッキリ13kg やせた!! マインドフルネスダイエット』を出版した。吉村さんは言う。
「ダイエットで大事なことは、完璧を目指さないことと、楽しむこと。不安な時代だからこそ、前向きに楽しむことが大切です」
実際、この状況を前向きに捉えることで、ダイエットを成功させた人はいる。
大薮胤美(おおやぶつぐみ)さん(55)はデザイン事務所の代表だ。緊急事態宣言のなか、スタッフは自宅勤務となり、徒歩で出勤できる大薮さんが事務所に待機することになった。スタッフの勤務体制を整えるのに奔走する一方、予定していた仕事の多くが延期に。これからどうなるのか不安な気持ちがわいてくるなか、ふと、ダイエットしてみようと思いつく。
「こういうときだからこそプラスに変える要素を持ってないと、精神的にしんどいな、と思ったんです。この時期、何か自分にとってよかったと思えることをやってみたいという思いもありました」