渡辺直美とゆりやんレトリィバァのコラボ動画が話題を呼んでいる。これは、7月25日に渡辺のYouTubeチャンネル「NAOMI CLUB」で公開されたものだ。レディー・ガガとアリアナ・グランデの豪華共演で話題の『Rain On Me』のMVを元ネタにして、2人がダンサーを引き連れて原曲に合わせて歌い踊っている。衣装やメイクやセットも本物さながらのクオリティで作り込まれている。本家にも正式に許可を取って制作されているという。
「Lady Gaga “Rain On Me with Ariana Grande” Official Parody」と名付けられたこの動画は、7月31日現在で再生回数650万回を超える話題作となっている。「なりきり芸」とダンスの腕前には定評がある2人の渾身のパフォーマンスは圧巻だ。
元ネタが世界的に大ヒットしている楽曲ということもあり、この動画には外国人と思われる人から英語でのコメントも多数寄せられている。
それらを見ていて個人的に気になったのが、「This is not a parody(これはパロディではない)」などと、この動画が「parody」であることを否定するような書き込みがたくさん見受けられたことだ。
外国人と思われる人たちからこのような反応があった理由は、動画制作者である渡辺や日本人スタッフが想定していた「パロディ」と、英語の「parody」の本来の意味が微妙に異なるためだろう。そこには、単なる日本語と英語の違いにとどまらない、興味深い「ズレ」があるように感じられた。
英語の「parody」は「笑える形で既存の人物や作品などの真似をしたもの」という意味だ。日本語の「パロディ」も語源は同じなので、基本的にはそういう意味で使われている。
だが、日本語の「パロディ」は、必ずしも笑いに直結するものだけではなく、単に本物そっくりに真似をしたものに対しても用いられることがある。少しだけ言葉の意味の範囲が広いのだ。