また、腫れた片目を眼帯で隠しているところが「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系)で田中みな実が演じた役ともダブる。男女それぞれの色っぽさをいうことわざに「目病み女と風邪ひき男」というものがあるが、あざとかわいい女性にはこういう狙った演出も似合うのだ。

 しかし、そもそも、あざとさとは何だろう。その定義はむずかしい。たとえば、前出のツートップを比べても、そこには違いがあるからだ。

「あざとくて何が悪いの?」ではオリジナルソング「あざとい夜はもう来ない? feat. ジュリ」も作られ、7月25日の放送でも紹介された。見どころは、田中・弘中によるあざとかわいいダンスだ。

 ただ、最近はフリーアナというより、何でもありのタレントと化している田中のそれはやや過剰というか盛り過ぎというか、かわいさよりあざとさが勝ってしまっている印象。これに対し、弘中のそれには局アナとしての照れが感じられる。そこが自然なかわいさにも見えるが、深読みするならよけいにあざといともいえるわけだ。

 そういえば、その2日後の「痛快TV スカッとジャパン」(フジテレビ系)では小林麻耶と竹内由恵がミニドラマで共演していた。小林は田中と同じ元TBS。竹内は弘中のいるテレ朝からフリーになった人だ。

 物語的には、超ぶりっこの先輩OLが自然体の後輩OLにも同じ営業方法を押しつけ指導するものの、逆に大失敗して客にやりこめられるという内容。もはやお家芸というべき小林のぶりっこがバラエティー的な「ネタ」として重宝されていることがよくわかる。

 そう、ぶりっこもあざとかわいいも突き詰めすぎると笑いの「ネタ」でしかなくなるのだ。だからこそ、松田聖子は春やすこ・けいこによって漫才のネタにされたし「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)で中居正広がやったコント「計算マコちゃん」もウケた。

 ネタとして消費されるレベルのあざとさには誰も引っかからないし、そうなった時点でもう、あざとくないともいえる。だとしたら、最近の松本まりかもビミョーなところだろう。

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宮崎あおいと蒼井優の“あざとさ”の違い