――そういう意味では、今はコロナ禍という危機的な状況だともいえます。コロナ時代におけるロックの意味とは何だと思いますか。

薫 すごく難しいですね……。たとえば、外ではいつも気を張っていなければならない状況のなかで、家に帰ってから、1日のうちに数分でも自分たちの音楽に触れたいと思ってもらえるのであれば、それはひとつの存在意義だと思います。あとは、この状況に「屈しない」という姿勢をみせていくことも役割かもしれません。世の中の動きが止まってしまっている時こそ、ロックバンドがどこかに風穴を開けて、前進している姿をみせることもできる。それは新しいライブの様式かもしれないし、楽曲の伝え方かもしれない。その意味で、DIR EN GREYも常に前に進み続けなくてはいけない。コロナなんかに屈したくはないですね。

(取材・文=AERAdot.編集部・作田裕史)

DIR EN GREY(ディル アン グレイ)
京(Voice)、薫(G)、Die(G)、Toshiya(B)、Shinya(Dr)によるロックバンド。メタル、ハードコアから民俗音楽までさまざまなジャンルを織り交ぜた楽曲は強烈なオリジナリティーを放つ。1999年にメジャーデビューし、その過激なステージパフォーマンスも大きな話題を呼んだ。国内で日本武道館など数々のホールツアーを成功させてきたほか、2002年以降はアジア、全米、ヨーロッパなど世界各地でツアーを敢行している。8月3日に発売した新曲「落ちた事のある空」は5日付のオリコン「デイリーデジタルシングルランキング」及びiTunesの「ロックランキングシングル」で1位を獲得した。

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