さらにその翌週にソリューションセールスの書籍を読んだときには、「お客様の要望をうのみにしてはいけない。疑ってかかってほしい」。
本人としては、各書籍を読んで感じたことをベースに考えて発信しているのでしょうが、受け取った部下の立場になれば「結局、どうしたらいいの?」とよくわからなくなるだけです。
ちなみに部下に話を聞いた時には「真面目に受け止めていたら混乱するだけ」とメールをスルーしているとのこと。つまり、読んではおくものの、何も受け止めない。参考にしない。こういう上司の下で生きていくためには、ある程度不真面目になることが重要です。「はいはい」と逐一感情を抱かないようにするのです。
逆に上司の立場であれば、矛盾する発言をする場合には「前言を撤回する」とか「考えが変わった」と矛盾を認めること。そうすれば、部下もある程度の理解をしてくれるはずです。
<プロフィール>
西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている。