山梨県は独自の慣習「無尽(むじん)」を活用した飲食店の支援を実施。無尽はもともと住民がお金を出し合い、災害などで困った人を助ける仕組みだ。無尽の助け合いの精神で、コロナで業績悪化の店を救おうというものだ。
アンケートでは「自治体ならではの取り組みやアピールしたいこと」も尋ねた。
秋田県は「集会所において集落の総会後に引き続き宴会を行うことが多く、集会所に集まりカラオケを行うことは感染拡大防止のため避けるよう注意喚起している」と回答。八郎潟町に住む男性は先日、地域の会合に出た。約10人は打ち合わせの後に“あうんの呼吸”でその場で懇親会に移り、2次会もあった。「米どころの秋田は酒好きが多い。ここでは集まりと飲み会はセット。会議のときは思ったことを言えないが、飲むと本音が出る。ここから本当の議論が始まります」
「県新型コロナ対応!企業応援給付金」をつくったのは徳島県。これが契機となり、「国の『持続化給付金』創設につながった」と胸を張る。
県民性研究の第一人者、矢野新一さんは「商人気質がこの取り組みにつながったのだろう」とみる。県民は商売上手だとされ、社長の輩出率が高く、女性社長も多い。大阪との結びつきが強く、商人気質が培われた。「阿波商人は全国で商売をやって財をなしてきた。県民のお金に対する考え方は、他の地域にないくらい強いと言われています」(矢野さん)
(本誌・吉崎洋夫、松岡かすみ、岩下明日香、松岡瑛理)
※週刊朝日 2020年8月28日号より抜粋

