「特定の場所で多いんです。(1)頭皮からひたい・鼻のTゾーン。(2)首前方。(3)両脇。(4)両胸と胸の中央。(5)へそ周辺。(6)陰部。(7)両耳の後ろ。(8)背中の真ん中。洗うのを忘れやすく、他人の鼻に近い場所なので、耳の後ろは加齢臭を発しやすい場所です」(同)
風呂に入ったら、漫然と体全体を洗うのではなく、皮脂の多い部分をしっかりと洗うことが大切だ。
一方、資生堂では01年に中高年の加齢臭の原因は、皮脂の酸化によって発生する「ノネナール」だと発表した。以来、さまざまな加齢臭対策グッズを提供してきたが、この7月に「ジョイフルガーデン」を発売した。ノネナール研究のリーダー、土師(はぜ)信一郎主幹研究員はこう説明する。
「我々の研究で、40代を過ぎたあたりから皮脂成分が酸化すると『ノネナール』という不飽和アルデヒドが発生するということが明らかになっています。この成分は、体を洗い、殺菌して、汗を抑え、皮脂の酸化を抑えることで、ほとんどを抑制できます。ただ、臭いというのはやっかいで、微量が残っても人間は臭さを感じてしまうのです」
新製品は、まずノネナールの臭いをできる限り抑える。それでもぎりぎり発生してしまうわずかな臭いを「ハーモナージュ効果」により、いい匂いに変える。
●微量に残る悪臭、いい香りに転化
これは強い香りで臭いを抑え込む「マスキング」とは違うらしい。
「例えばジャスミンの香りには2%くらいの『インドール』が含まれています。これは単体で嗅ぐと悪臭なのですが、他の香りと混ざり合うことで芳香に変わるわけです。ハーモナージュ効果は、微量に残ったノネナールを生かし、相性のいい香気成分と混ぜ、いい香りにします」(土師さん)
ちなみに加齢臭にはムスクのような重い香りは相性が悪く、逆に柑橘系の香りの相性がいいという。
「ジョイフルガーデン」の「カシスグリーン」という香りは、カシスの香りと、お茶を思わせるグリーンフレーバー。ボディソープを使ってみたが、バスルーム中に爽やかな香りが充満する。洗い上がりからしばらく経っても、香りはきちんと残っている。
布団で寝たばかりの妻のところに近づいていくと「離れていても、いい香りするねー」と、評判がいい。
「ちょっと背中のニオイ、嗅いでもらえないか」と恐る恐る依頼してみると「いいよー」と快諾。
うーむ、女房の布団に入ったのは今年初めてだ。
「ちっとも臭くないねー。これなら一緒の布団に入ってもいいね」
ここから先は内緒だが、ハーモナージュ効果恐るべし、とだけは言っておこう。