朝昼晩の食事だけでなく、間食を通じて免疫力を高めることはできるだろうか。
自然免疫制御技術研究組合代表理事の杣(そま)源一郎氏(新潟薬科大学健康・自立総合研究機構客員教授)、同組合研究本部長の稲川裕之氏(同)は、
「免疫ビタミン『LPS』(リポポリサッカライド)を多く含む食材を摂取することを心がけてほしい」
と話す。
「自然免疫にはさまざまな細胞群がかかわりますが、中心的な役割を果たすのが『マクロファージ』。体外から侵入する異物を捕食する機能を持っています。私たちのこれまでの研究では、LPSを口から摂取することで、このマクロファージが適切に活性化することがわかっています」(杣氏)
どのような食材に含まれるのか。杣氏はこう説明する。
「植物が原料であれば、LPSを含まないものはほとんどありません。果物であれば、リンゴやイチジクなどです。ポイントは、自然農法の素材の良いものを使い、なるべく生のまま食べること。おやつに果物を摂取する場合は、皮ごと生で食べるのがいいでしょう」
果物以外はどうだろうか。
「LPSは根っこの近くに多く含まれます。例えば、葛の根。おやつに取るなら葛湯や葛餅などでしょう。ヨーグルトに含まれる乳酸菌もLPSとの相乗効果を持ちます。例えば朝食をリンゴとヨーグルトにするなど、セット単位の摂取を意識するといいと思います」(杣氏)
また、稲川氏はこう付け加える。
「昆布もLPSが豊富です。果物同様、生もしくは加熱せず天日干ししたものがいいでしょう。富山県では、昆布をはさみで切ったものを持ち歩いて食べている方が結構いるそうです」
(本誌・亀井洋志、松岡瑛理)
※週刊朝日 2020年9月4日号より抜粋