インフルエンザ流行期にも十分な医療提供体制を必ず確保します。以上の対策について順次、予備費によって措置を行い、ただちに実行に移してまいります。
コロナ対策とならんで、一時の空白も許されないのが、我が国をとりまく厳しい安全保障環境への対応でございます。北朝鮮は弾道ミサイル能力を大きく向上させています。これに対し、迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守ることができるのか、一昨日の国家安全保障会議では、厳しい安全保障環境をふまえ、ミサイル措置に対する安全保障政策の新たな指針を協議いたしました。今後速やかに与党調整に入り、その具体化をすすめます。
以上、2つのことを国民のみなさまにご報告させていただいたうえで私自身の健康上の問題について、お話をさせていただきたいと思います。
13年前、私の持病である潰瘍性大腸炎が悪化をし、わずか1年で突然総理の職を辞することとなり、国民のみなさまには大変なご迷惑をおかけしました。その後さいわい、新しい薬が効いて、体調が万全となり、そして国民のみなさまからご支持をいただき、再び総理大臣の重責を担うこととなりました。この8年近くの間、しっかりと持病をコントロールしながら、なんら支障なく総理大臣の仕事に毎日全力投球することができました。
しかし、本年6月の定期健診で、再発の兆候がみられると指摘を受けました。その後も薬を使いながら、全力で職務にあたってまいりましたが、先月なかごろから、体調に異変が生じ、体力をかなり消耗する状態となりました。そして8月上旬には潰瘍性大腸炎の再発が確認されました。今後の治療として、現在の薬に加えまして、さらに新しい薬の投与をおこなうことといたしました。今週はじめの再検診においては、投薬の効果はあることは確認されたものの、この投薬はある程度、継続的な処方が必要であり、予断は許しません。政治においてはもっとも重要なことは、結果を出す事である。私は政権発足以来そう申し上げ、結果を出すために、全身全霊を傾けてまいりました。病気と治療を抱え、体力が万全でないということのなか、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはなりません。国民のみなさまの付託に自信をもってこたえられる状況でなくなった以上、総理大臣の地位にありつづけるべきでないと、判断しました。総理大臣の職を辞することといたします。
>>『安倍首相辞任会見【全文(2)】「痛恨の極み。志半ばで断腸の思い」』につづく