
2.5次元のトップランナーの一人、黒羽麻璃央さんがAERAに登場。「ミュージカル『刀剣乱舞』」への出演でも人気を集める黒羽さんが、現在の活動にかける思いを語った。AERA 2020年9月14日号から。
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「黒羽麻璃央」と検索すると、上位の関連ワードに「背中」と出るほど、ファンの間では美背中で知られる。確かにスベスベで、ほどよく筋肉がついたその背中は見事に美しい。本誌表紙フォトグラファーの蜷川実花も、シャッターを切りながら呟いた。「すごい! 背中が光ってる」
本人はどうにも照れくさそうだ。
「うれしいけど、不思議な感覚です。自分では見えないですし(笑)」
「ミュージカル『刀剣乱舞』」の中心的な存在である三日月宗近役を演じるなど、2.5次元舞台を代表する人気俳優だ。
一方で、グランドミュージカルの世界にも進出。今年20周年を迎える東宝版「エリザベート」では、歴代最年少で主要なルキーニ役に大抜擢(ばってき)された。
「でも、自信なんてみじんもないです。もっと努力しないとヤバイ、消えてしまうという危機感は常にあります」
子どものころから漠然と「テレビに出る人」に憧れていた。
「芸能人になってちやほやされたい、みたいな思いが昔はあったのかもしれない。でも、いろいろな挫折をして、挫折をしながらも自分の歌やお芝居で感動してくれてる人がいて、舞台や役者というお仕事が好きになって。今ではこれしかできないと思えるくらいになりました」
放送中の月9ドラマ「SUITS/スーツ2」では織田裕二演じる敏腕弁護士、甲斐正午の新しい秘書役として出演。バラエティー番組にも出演するなど、テレビの世界にも活躍の場を広げている。いつかは朝ドラに出たいという夢もある。ただ、これからの目標を尋ねると即答した。
「早く舞台に立ちたいです! 今年は中止が相次いでいるので……」
今は舞台に夢中。自信がないからこそ経験を重ねたい。静かに言葉を紡ぐ姿から、確かな熱意が伝わってきた。(ライター・大道絵里子)
※AERA 2020年9月14日号