12月5日に放送されたTBS系列「サンデー・ジャポン」で、コメンテーターのテリー伊藤(60)は、グラサン姿で舌鋒鋭く酒井をぶった切ってみせた。

「僕もちょっと読んだんですけどね、読んでいてね、腹が立ってきましたね。(略)常に自分じゃない、常に誰かの責任にして、自分はそんなに悪くないんだっていうような言い回しを、相変わらずしてんですよね」

 別のコメンテーターが本の出版を肯定し始めると、すかさず医師の西川史子(39)の罵声がかぶせられた。

「早いでしょー、まだ時期がぁ!」

 12月3日の発売とともに、酒井法子の自著『贖罪』がテレビやスポーツ紙など、さまざまな媒体で取り上げられて話題となった。だが、厳しい批判を伴うものも少なくなかった。

 酒井ももちろん、こうしたバッシングを自宅のテレビで目の当たりにしている。その感想を問うと、酒井はこう答えた。

「批判されるのは、当然のことだと思っています。見ていてダメージはありますが、それも本を出版する前から覚悟していたことです。多くの方々を裏切るようなことをして、迷惑をかけ、失望もさせました。本音を言えば、風化させて忘れてもらいたい事柄ですが、それでも、自分が犯した罪について、一度はきちんと説明しなければいけない。そう考えて、今の段階で話せる限りのことを伝えたものですから、それが批判されるのは当然のこと。謙虚に受け止めなければいけないと思っています」

 冒頭のテリーや西川と同類の批判は、すでに他の番組や夕刊紙でも報じられてきた。その言い分は、主に二つの要素に集約できる。

 一つは、「出版が尚早だ」という批判だ。「執行猶予中に本を出すとはけしからん」という意見が少なくない。まして「印税など受け取るべきではない」と腹を立てている人もいる。つまりは、執行猶予中は「発言」を控えるべきであり、金銭を受け取るのも言語道断の営みだという主張だ。

 もう一つは、「罪を人のせいにしている」という批判だ。冒頭のテリーも「薬物を夫から勧められた経緯」に言及して批判を展開する。だが、酒井が自著でも本誌のインタビューでも、こう重ねて述べている点にはあえて(!?)言及しなかった。

「(薬物を)勧められたにしても、それで使ってみようと決めて、実際に使ってしまったのはわたし自身です。その事実は決して変わらないから、悪いのは自分でしかないんだと考えています」(本誌12月10日号)

 家族旅行中の薬物使用について、酒井が「思い出を汚したくない」と考えて隠していたことに対しても、テリーが糾弾しているが、酒井が自著の中で、
〈勝手な言い分だということは、よく分かっている。使った自分が何よりも悪い〉
 とつづっている前提には、触れることはなかった。
『贖罪』の出版については、これまで二つの意義があると表明してきた。

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