

丸山茂樹氏は、米国男子プレーオフ第2戦「BMW選手権」での松山英樹選手やジョン・ラーム選手らのプレーを分析する。
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松山英樹(28)にとって、久々の優勝争いでしたね。アメリカPGAツアーのプレーオフ第2戦「BMW選手権」(8月27~30日、イリノイ州オリンピアフィールズのオリンピアフィールズCC)です。最終日最終組で出て、2打差の3位でした。
60台のスコアで3日間回ったのは、英樹とダスティン・ジョンソン(36)だけ。難コースに忍耐強く立ち向かっていったと思います。プレーの内容は悪くなかったと思うんですが、グリーンの狭い方に外してしまうと、非常にアプローチが難しくなるので、ピンを攻めきれてないのかなというのはありますね。
でもこれで、英樹は7年連続でプレーオフ最終戦進出が決まりました。日本のファンのみなさんは優勝を望んでると思うんですけど、これは驚くべき事実です。英樹の安定力はもう、恐ろしいですね。
この試合でジョンソンとのプレーオフを制したジョン・ラーム(25)は、3日目に1打罰の凡ミスを犯していました。5番ホールのセカンドショットをピン手前13メートルにつけたんですけど、マークをせずにボールを拾い上げちゃったんです。
僕も人生で一回だけやったことがありますね。確か20代のときの試合だったんですけど、マークしたもんだと思って何げなくボールを拾っちゃったんです。「あっ」って言ったときにはもうボール持ってました。笑うしかなかったです。
ただ、そのあとはいたって普通にプレーできました。僕はラームみたいに上位争いの中でやっちゃった訳じゃないから「まあいいか。今週は何やってもダメなんだな」って言って、笑ったのを覚えてます。
ラームは「あれがアグレッシブなゴルフをするきっかけになった」とコメントしてますね。確かに、彼のウィークエンドのゴルフはすさまじかった。ラームの特徴としては、ヨーロッパツアーだと逃げ切れるんですけど、アメリカだとああやって、うっちゃって勝つというようなイメージなんですね。だから、彼の中ではいい展開になっていったんじゃないかなと思います。