万波はルーキーイヤーの昨年、イースタンリーグで4位タイとなる14本塁打をマーク。その魅力は圧倒的な飛距離で、芯でとらえた時の打球の勢いは一軍選手を含めてもトップクラスである。高校時代からタイミングの取り方が安定せず、確実性にはまだまだ課題は残るものの、先に一軍出場を果たした野村を追う活躍を見せてもらいたい。

 パ・リーグのルーキーで楽しみなのが黒川史陽(楽天)だ。二軍ではチームトップの43安打を放つなど早くも中軸に定着。9月4日には一軍昇格を果たすと、初打席でライトへの犠牲フライを放って初打点をマークし、6日には初タイムリーを放つなどいきなり強烈なインパクトを残してみせた。現在は二軍に降格となったが、打席での雰囲気は高校卒ルーキーのものとは思えないほどの風格があり、広角に打ち分けられる打撃技術の高さも光る。高校卒の野手がなかなか育っていないチーム事情はあるが、そんな中でも将来の中軸候補として今後も注目したい選手である。

 一方のセ・リーグではやはり中日ドラフト1位ルーキー、石川昂弥が最も楽しみな選手となる。7月12日の広島戦で一軍デビューを果たし、初打席でいきなりレフトへのツーベースを放つと、その後はプロの変化球に苦しんだものの徐々に対応していくセンスの高さも見せた。二軍でもここまでホームランは2本ながら、3割近い打率を残す活躍を見せている。高校卒の選手はまず木製バットに苦しむことが多いが、石川の場合はそのしなりを上手く使いこなしているように見え、広角に大きな当たりを打てるのが何よりの魅力だ。低迷するチームにとって、最大の希望の星と言えるだろう。

 同じセ・リーグでは林晃汰(広島)も楽しみな一人だ。1年目の昨年は二軍で打率.225ながら7本塁打を放つと、今年はここまでで既に6本塁打をマークし、打率も.266と大きく改善している。高校時代からパワーはありながらも確実性に乏しかったが、徐々にタイミングをとる動きに無駄がなくなり、ミート力も向上してきた印象を受ける。チームは下位に沈み、故障者も多いだけに、起爆剤としてシーズン終盤に一軍昇格を果たす可能性も十分にあるだろう。

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