ここ数年で最もブレイクしたスラッガーと言えばヤクルトの若き主砲、村上宗隆になるだろう。ドラフトでは外れ1位での指名だったが、昨年は全143試合に出場して36本塁打、96打点をマーク。ちなみに高校卒2年目の選手が30本塁打以上を放ったのは、セ・リーグでは初のことである。今シーズンもキャンプでは出遅れたものの、開幕が遅れたことも奏功して4番打者としてチームトップの打率(.328)、安打(86)、打点(51)をマークしている。(※以降成績は全て9月15日現在)
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特に昨年は2割台前半(.231)だった打率が1割近く向上している点は見事という他ない。このまま順調にいけば、侍ジャパンの4番を任される日も近いだろう。最も輩出数が少なく、育成も難しいと言われる長距離打者だが、村上が出現してきたことで、各球団で日本人の若きスラッガーを育てようという機運も高まっている。そこで今回は村上に続く存在となることが期待される和製大砲候補をピックアップしてみたいと思う。
まず筆頭に挙がるのが、村上と同学年の安田尚憲(ロッテ)だろう。二軍では1年目に12本、2年目の昨年は19本とホームランを量産し、今年はシーズン途中から一軍でも4番を任されている。ここまで打率は2割台前半でホームランも5本にとどまっているが、打点はチーム3位となる38打点をマークするなど要所で力強い打撃を見せており、日に日に4番らしくなってきた印象だ。
昨年の村上はチームが低迷する中で起用されていたが、今年の安田に関しては首位争いを演じる中での4番打者ということで、その経験値も非常に大きくなることは間違いない。球団の日本人打者による30本塁打は落合博満(1986年)を最後に、30年以上遠ざかっているだけに、そういう意味でも期待は大きい。
パ・リーグでは野村佑希、万波中正の日本ハムの高校卒2年目コンビも期待の大砲候補だ。野村はシーズン前の練習試合で結果を残して開幕スタメンを勝ち取ると、7月に入ってプロ初本塁打を含む2本塁打を放つなど飛躍を感じさせる活躍を見せた。その後、守備の際に骨折して長期離脱となったことは残念だが、高校時代からその柔らかいスイングと長打力には定評があり、来年の本格的なブレイクに期待がかかる。