また、川島さんといえば愛犬家としても有名だった。ミニチュアダックスフント2匹を仕事現場に連れている姿を目にした読者も多いだろう。生前は、著名な文化人ら約240人で作る「エンジン01文化戦略会議」のメンバーとして動物愛護活動にも携わり、動物愛護法改正を求める署名運動などに関わっていた。2017年には「イヌ(ネコ)の殺処分を限りなくゼロにする運動に役立ててほしい」という彼女の遺言による寄付をもとに、「川島なお美動物愛護賞」が設立された。毎年、犬やの愛護に関する貢献・活動を続けている個人や団体を表彰しており、4回目となった今年はタレントの坂上忍がMCを務める「坂上どうぶつ王国」(フジテレビ)が受賞した。

 もちろん、仕事に対する情熱も人一倍強かった。30代で社会現象となったドラマ「失楽園」に主演。大胆なヌードや「子宮が呼吸できない気がする」と前張りなしで挑んだベッドシーンなどが話題に。その後、42歳でブロードウエイ・ミュージカルのオーディションを新聞で見つけ、自ら応募。結果は不合格だったが、「劇団四季」の浅利慶太氏から「うちでレッスンしてみれば」と声がかかり、3カ月間にわたって朝からバレエ、ジャズダンス、発声の厳しいレッスンに通い、舞台女優としての基礎を学んだ。過去、女性誌の取材に対し「年に何本も舞台に立たせていただいているのは、あの日々のおかげです」と語っている(「WEB女性自身」2013年9月6日付)。

「川島さんを取材した際、白いロングブーツを履いて、さっそうとスタジオに入ってこられて。女優オーラがすごかったのを今でも覚えています。付き人に指導する際はときに厳しく、インタビュアーに対しては真摯で笑顔を絶やさない。その切り替えがプロっぽく印象的でした。質問にわかりやすく的確に答えてくださったり、私たちが見出しにしやすいようなキャッチーな言葉も出してくださったり。頭の回転が速くスマートな方でした」(取材したことのあるファッション誌の編集者)

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