嶋田さんの指先。ほんのりと桜色の爪で、先端は透明。地爪の美しさが際立っている (写真:育爪サロン「ラメリック」提供)
嶋田さんの指先。ほんのりと桜色の爪で、先端は透明。地爪の美しさが際立っている (写真:育爪サロン「ラメリック」提供)
指先をよくもんで、指の甘皮と爪の表面全体にオイルを浸透させる (イラスト:鹿野理恵子)
指先をよくもんで、指の甘皮と爪の表面全体にオイルを浸透させる (イラスト:鹿野理恵子)
育爪サロン「ラメリック」代表・嶋田美津惠さん。著書に『女は爪で美人になる』(SBクリエイティブ) (写真:育爪サロン「ラメリック」提供)
育爪サロン「ラメリック」代表・嶋田美津惠さん。著書に『女は爪で美人になる』(SBクリエイティブ) (写真:育爪サロン「ラメリック」提供)

 コロナ自粛中、定期的に通っていたネイルサロンに行けなかった人が大勢いたようだ。サロンでケアしていた爪もボロボロ……。落ち込む気持ちもわかるが、実は今こそ、脱ネイルのチャンスでもあるのだ。

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 大阪・梅田と東京・自由が丘に予約の取れないネイルサロンがある。ここではカラフルなカラーネイルの施術は一切なく、地爪をきれいに育てる“育爪”に特化している。

 爪のケアといえば、色や飾りが施されたネイルを連想するだろう。しかし顔にスキンケアを施すように、爪にも適切なケアを行うことで、爪の形が整い、血色がよくつややかな爪になるという。

 育爪サロン「ラメリック」主宰で、育爪スタイリストの嶋田美津惠さんは、17年前に化学物質過敏症と診断され、ネイルカラーや除光液に多く含まれる有機溶剤によって、深刻な不調をきたすようになった。カラーをやめて地爪のケアに専念したところ、爪の縦すじや黄ばみ、爪先がはがれる「二枚爪」などといった爪のトラブルが数カ月で解消。弾力とツヤのある爪になったことから、“育爪”に注力するようになった。

「爪自体は死んだ細胞でも、爪の下の皮膚細胞は生きています。爪の表面からは常に水分が蒸発しているのですが、ジェルなどをつけていると爪をふさぐことになり、乾燥や二枚爪などの原因になります」(嶋田さん)

 加齢によって水分が減るため、年を取ると爪の縦すじが増えたり、折れたりしやすくなってしまうという。だからこそ、年配の人ほどケアが不可欠だと指摘する。

「爪は約半年で生え変わります。時間はかかりますが根気よくケアを続けていれば、年齢に関係なく爪のピンクの部分が増えて形が整い、縦すじなども消えていきます」(同)

「爪の形が悪いのは遺伝のせい」と思い込む人も少なくないという。嶋田さんは長年の経験から、爪をしっかり保湿し、爪を短くしすぎず、爪に負担のかからない指使いを意識すれば、「爪の形は確実に変わる」と断言する。

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