花總さん自身は、共同生活の経験はほとんどないという。
結婚していませんし、宝塚での寮生活くらいですね。あとは友達と旅行に行ったときとか。そこまで細かい性格ではないので、相手にイラッとすることはないです。女性同士でうまくやるコツは「聞き上手になること」。そう言いつつ、実際はけっこう自分がしゃべっちゃうほうなんですけど(笑)。
昔はもし結婚するなら、その前に一緒に暮らしておかないといやだな、と思っていました。いろんな面が見えてくると思うので。いまもそう思ってはいますが、もう結婚自体があまり頭になくなりました(笑)。
共同生活で絶対に譲れないことは「早く寝ること」。睡眠時間は最低8時間。夜10時には就寝し、24時間のうち睡眠以外の16時間はすべて舞台のために費やすという。コロナ禍でも自宅での筋トレやヨガなどを欠かさなかった。アスリート並みのストイックさが、トップを走り続ける秘訣に違いない。
久しぶりの舞台であきらかに自分が「生きている」という感じがしています。どんなときでも歩き出すことの大切さを実感しますね。それに舞台はお客様がいらっしゃるからこそ成り立つもの。コロナ禍で窮屈な思いをされている方も多いと思いますので、ぜひ日常を忘れて楽しんでほしい。一緒に作品に参加する気持ちで、劇場に来ていただければと思っています。
(フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2020年10月26日号