YouTubeも、演者の才能だけでは成り立ちません。企画や方針を決めるプロデュース力が必要です。芸能人は演者のチカラに特化した人々が多いのですが、その才能を生かすチカラがないとYouTubeでは成功しません。4月にジャニーズ事務所から独立し、個人事務所「のんびりなかい」を設立した中居正広さんも、事務所がずっと演者に集中できる環境をつくってくれていたと実感しているとインタビューで答えていました。テレビ番組やCMでは、演者だけでは成り立たず、事務所や関係者などさまざまな人たちが関わっています。その仕事が一気に押し寄せた時に、事務所のサポートの強さを実感するのだと思います。
YouTubeで、事務所や裏方のサポートの力を実感している芸能人としては、手越祐也さんが挙げられます。彼も、ジャニーズ事務所を退所してさまざまな判断を自分でしなければならなくなりました。YouTubeにおいては、企画や方向性、チャンネル運営の大変さを実感しているはずです。演者としてだけでなくプロデュースするチカラも求められています。
YouTubeのチャンネルが伸びるかどうかは、いかに正しい企画をしていくか、視聴者に合った企画ができるかにかかっています。数字がシビアに出てくるので、プレッシャーは大きいかもしれません。素人の方が、チャンネルを始めるのは気楽だと思います。誰もその人のことを知らないので、再生されなくても「カッコ悪い」とか「人気がない」と判断されることもありません。イメージもなく、企画の制限もありません。
YouTubeは、芸能人や有名人だから有利、ということがないプラットフォームです。初期や初動の登録者数や再生回数には影響しますが、半年後、1年後にも再生させ続けるのはコンテンツや演者にコアなファンをつけられた人だけです。「これだけ芸能人がたくさん参入しているのだから、YouTubeは素人にはもう難しい」というのは、全くYouTubeのことを理解していない見当違いな意見です。
YouTubeでは、いかに面白い動画が作れるか、が全てです。芸能人は知名度によるロケットスタートの反動、素人は知名度の低さによる初動の悪さ、この点が良くも悪くも働くので、チャンネルの成功にもともとの知名度はあまり重要ではありません。