感染免疫学を専門とし、新型コロナウイルスの流行が始まると連日、報道番組に出演してきた岡田晴恵(白鴎大学教育学部教授)。作家・林真理子さんとの対談で、当時の苦労を語りました。
※【岡田晴恵「政府はどこに目標を見据えているのか、心配だし不安」】より続く
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林:先生ご自身のことをちょっとお聞きしたいんですけど、先生はもともと厚生労働省の国立感染症研究所(感染研)にいらっしゃって、感染症の対策にかかわってこられたんですよね。
岡田:厚労省の感染研でパンデミック対策もずっとやってきて、流行時に備えた危機管理対策をやってきました。2009年まで。
林:コロナが流行してからは、テレビの情報番組に毎日のようにお出になってコロナの恐ろしさをおっしゃって、「コロナの女王」と呼ばれましたよね。あのあだ名はどうでした?
岡田:嫌です。でも、書かれてしまうので、どうしようもないです。
林:一時期は芸能人みたいに「今日は髪形がどうだった」とか「洋服がどうだった」とか言われて。
岡田:連日出演していた「モーニングショー」は朝が早いんですよ。私は朝4時起きで6時前には局入り、夜は深夜までディレクターと打ち合わせして、3時間ぐらいしか寝れない。だからいつもメイク中に寝落ちしていて、メイクが終わると起こされることもあって。
林:そんな大変な状況だったんですか。
岡田:私、洋服には興味がなくて、ある服を適当に着て、通販で安く買った服を学生とおそろいで着て、それも楽しくて。でも「見た目を少し気にしたほうがいい」と助言されて、その日に買いに行きました。服も化粧もみんな他力本願でした。
林:でも、先生は“愛されキャラ”ですよね。「アッコにおまかせ!」で和田アキ子さんが「先生、このごろすごくきれいになった」と言ったら、先生がテレて「ヤダァ~」って笑って、あ、カワイイと思いましたよ。
岡田:そう思われない方もたくさんおられて、「ああ、誤解されたな」と思うこともあります。
林:外国から帰ってきた私の友人が言うには、男性たちとお酒を飲んでるときに「いま日本では岡田さんというすごくいい女がテレビに出てる」って。おじさんたちのあいだで「色っぽい」とか「カワイイ」とか話題になってるんですよ。といっても、60代のおじさんですが。