当初は10月27日と予想されていた東京電力福島第一原発の処理水海洋放出の決定を菅首相はひとまず「保留」とした。お笑い芸人・カンニング竹山さんは、海洋放出しか方法はないとし、その理由をわかりやすく、そして強く訴える!
【写真】水素爆発を起こし屋根や壁が吹き飛んだままの東京電力福島第一原発の原子炉建屋
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ここ何年間か原発周りへ通ってきたりだとか、いろいろな方とお話させてもらったり、東京電力福島第一原発も2回視察させてもらいました。
原発に「反対」「賛成」はおいといて、重要なのは東京電力福島第一原発のいまの現状ですよね。東京電力福島第一原発の放射能を封じ込めるために使った冷却水は、いまのペースでタンクに貯めていくと2年後の2022年夏にはそのタンクを置く場所がなくなるんですよ。でも、水でずっと冷やさないといけないわけで、あと、そこには地下水も流れているから、それらの水を貯めておく場所は必要不可欠になる。結局、いまはタンクに貯めているんだけど、その水を浄化処理したものに含まれている物質はトリチウムだけだから、全世界の原発でトリチウムは海洋に流している。それを海洋に流さないとタンクを置く場所がないというのがまず東京電力福島第一原発の問題のひとつ。
トリチウムを海洋に流すことに反対派の人は、砂とコンクリートで固めるモルタル固化を提案しているんですけど、モルタル固化をやろうとするといまの8倍の用地が必要になる。これからモルタル固化をやる場合にはその準備にも少し時間がかかる。また、そのモルタル固化をやるお金はどこから出すのかという問題もある。だから、なかなか現実的ではない。もちろん、世界にはアメリカのサバンナリバー核施設などで、モルタル固化をやっているところもありますよ。
モルタルで固めてしまうということは、その場所は永久処分場になる。その永久処分場になった場所はどうするんだっていう課題もある。一方、海洋放出は、原発を動かしているどこの国でもやっていること。原発があればトリチウム水は出るから、海洋放出しか答えはないと思うんですよね。